4割「人手不足感」 業務過多、生産性低下も 県工連・会員調査


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 県工業連合会(呉屋守章会長)が7日までにまとめた人手不足に関する会員向けのアンケート調査で、回答した企業の4割近くが「不足している」と感じていることが分かった。好調な個人消費や建設需要を受け、食品や鉄鋼金属、建設、設備など幅広い業種に不足感が広がっている。

「業務過多」や「生産性の低下」など業務への悪影響を指摘する声もあり、人材確保が業界発展に向けた課題となっている。工連は県内の高校や大学と連携を深め、企業と人材のマッチングに注力する。
 調査期間は7月10~24日。会員企業345社を対象に実施し、そのうち133社から回答を得た。回答率は38・6%。
 社員の人手不足については「適正」との回答が55・6%と最も多かったが、「不足している」とした企業も38・3%に上った。「不足している」と回答した企業の業種は、多い順に食品8社、鉄鋼金属7社、建設・設備6社、紙・印刷4社と続いた。
 人手不足で業務に支障が出ているかとの問いには39・1%が「出ている」と答えた。具体的には「受注は順調だが業務をこなすのに四苦八苦している」「技術者不足で入札参加のチャンスが減る」「納期が遅れている」などがあった。
 不足している人材は開発や製造、商品管理、配送、研究員、施工管理、溶接工、型枠工、縫製工など多岐に及んだ。
 高卒新規学卒者の採用状況(複数回答)については、29・6%が「既に採用している」と回答したのに加え、「今後採用を予定・検討する」とした企業も27・4%に上った。
 担当者は「人手不足感はサービスや建設業界だけでなく、製造業でも広がっている。就職先について工業高校などから問い合わせが増える9月から、食品製造や鉄筋工など、細かい業種ごとの企業説明会を開き人材確保につなげたい」と今後を見据えた。
(長嶺真輝)