【島人の目】ジャパン・ナイト


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 ロサンゼルス(LA)ドジャースは毎年夏にジャパン・ナイトと称し、試合前に30分ほどかけてお祭りやセレモニー(式典)を行う。試合を盛り上げるためのキャンペーンだ。日本の文化や芸能を紹介することで日米親善、日系アメリカ人と地域との融合、LA地域の観光を促進し経済の活性化を図るなどが目的、ことしは7月8日に行われ21回目を迎えた。

 ことしの式典にはドジャースの元オーナーのピーター・オマーリー氏の旭日中綬章授与式もあり、在LA総領事の堀之内秀久氏が授与した。
 式典には二世ウイーク女王のトリー・西中レオンさんとコート一行がセレモニーの進行に協力、オマリー氏へのメダルを総領事まで運ぶメッセンジャー役を果たした。オマリー氏と並んで日本人元メジャーリーガーの野茂秀雄氏も招待され式典を盛り上げた。
 日本人大リーグプレーヤーは、1964年からサンフランシスコ・ジャイアンツでピッチャーとして活躍した村上雅則氏が挙げられるが、野茂氏の登場まで30年間日本人メジャーリーガーは育たなかった。その理由の一つに日本野球選手と、オーナー側との契約問題の難しさが原因したといわれている。今ではそれも解消し、日本人メジャーリーガーは現役も含め37人となった。
 ドジャースは現在、西部地区のトップ、2位のジャイアンツに5ゲーム差をつけている。ジャパン・ナイト当日は5万人以上の観客でドジャース球場は沸いた。ピッチャーはクレイトン・カーショーでことしは不振に泣いていたが、当日は完投、相手のフィラデルフィアを5対0と完封し、後半戦への足掛かりがつかめそうだ。
 試合終了後、トリーさんは「私は幼いころから野球が大好きでドジャースと共に育った。オマリーさんや伝説の野球選手の野茂さん、LA総領事と一緒にドジャース球場に立ち、こうして日米交流親善の一翼を担うことができて深く感動し、めまいがした」と、感想を述べた。
 (当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)