「ATM誘導は詐欺」 名護署員、創作劇で訴え


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 【名護】県内で相次ぐ還付金詐欺を防ごうと、名護署(國吉盛純署長)は4日、独自にシナリオを考えた寸劇「撲滅、還付金詐欺の巻」を宮里公民館で披露した。多くの人がだまされる現金自動預払機(ATM)で現金を振り込ませる手口をコメディー調に演じた。

宮里区老人会のお年寄り約50人は拍手しながら大笑いしつつ、被害に遭わない方法を学んだ。
 寸劇は役所職員を名乗る男から健康保険の還付金50万円の申請が今日までと連絡を受けたお年寄りが、携帯電話で説明を受けて金融機関のATMに案内され、還付手続きと見せ掛けて現金を振り込ませる内容。
 終了後、同署生活安全課の仲舛幸寿警部補が「だまされた人はみんな、『まさか自分が引っ掛かるとは』と言う。ATMに案内するのは全て詐欺。非通知番号も怪しいので、家族や周囲に相談して」と呼び掛けた。
 劇を見た與那嶺登美子さん(79)は「話を10回聞くより、劇を1回見る方が頭にしっかり残る。心から感謝する」と署員らに礼を述べた。劇の観賞は区老人会の活動も兼ねている。
 伊野波森博老人会長は「われわれの中から絶対、詐欺の被害を受けない決意を持ちましょう」と呼び掛けた。
 寸劇を披露したのは7月末に同署の若手約10人で結成した「ちゅらさん劇団名護ポリス」(団長・平田健二大南交番所長)で、今回が“初公演”。仕事の合間に練習を重ね、面白おかしく学べるような内容に仕上げたという。
 今後、路上寝や自転車事故、万引や窃盗で幅広くお笑い寸劇を創作していくことにしている。

電話説明で現金自動預払機から金を振り込まされるお年寄り役の署員(左)=4日、名護市の宮里公民館
還付金詐欺防止の寸劇を笑いながら楽しむお年寄りら