岸壁不足でクルーズ拒否 那覇港管理組合


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那覇港クルーズ船第2バースの展開位置候補案

 那覇港でクルーズ船を受け入れる岸壁が足りず、ことし4月以降、寄港の予約を断ったケースが43件に上ることが11日、分かった。那覇港管理組合(管理者・翁長雄志知事)は新たなクルーズ船専用岸壁を那覇市域に整備する方針を固め、年度内の取りまとめが困難となっている次期港湾計画の改定作業からクルーズ船岸壁の増設部分を切り離し、先行して整備する手法が取れないか国土交通省との調整に入った。

 11日の那覇港管理組合議会8月定例会の一般質問で、又吉健太郎委員(浦添市議)らに答弁した。
 那覇港は16万トン級の大型クルーズ船や、複数の旅客船が同時寄港する際に、那覇市若狭のクルーズ船専用岸壁だけでは受け入れができず、貨物船用の国際コンテナターミナルに旅客船を寄港させるなどの措置を余儀なくされている。さらに寄港の予約を断った件数についてことし12月までの予約分で8件、2016年の予約分が30件、17年の予約分が5件と報告した。
 委員からクルーズ船第2バースの整備を急ぐよう求める意見が相次ぎ、金城勉副管理者は「泊港から新港ふ頭にかけての那覇市域に第2バースを展開する」と答弁。既設のクルーズ船ターミナルビルがある泊港若狭地区か、新港ふ頭地区の2カ所から、新たなクルーズ船専用岸壁の候補地を絞り込む考えを示した。
 一方、新たな岸壁整備については港湾計画に盛り込む必要があるが、浦添市が那覇港浦添ふ頭地区の現行埋め立て計画を見直す案を提示したことで、「(浦添市の見直し案は)那覇軍港移設位置の変更が支障になっている。改定時期は関係機関と協議する中で判断していきたい」(金城副管理者)と予定していた15年度中の改定は困難となっている。その上で管理組合側は「新たなクルーズ船岸壁は、港湾全体の施設整備計画とは切り離し、港湾計画の『一部改定』か『軽微な変更』の形で早期対応ができないか国に照会している」と対応を説明した。