人材育成へ長期計画 県中小企業診断士協会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県中小企業診断士協会(西里喜明会長)は、5~10年後の協会の活動内容や必要な人材の育成計画をまとめた将来ビジョンを策定する。長期計画の策定は協会として初めて。

8月中に若手診断士を中心とした検討委員会を立ち上げ、年内にまとめる。好調な県経済を受け、県内中小企業の新商品開発やアジア進出など意欲的な若手経営者が増える中、支援する協会側の知識や技術向上につなげる。
 検討委員会は、協会の次代を担う30~40代の若手診断士6~7人で構成する。年内に数回協議を重ねる予定。毎年策定する年間計画とは別にビジョンをまとめる。経済のグローバル化により、県内企業の経済活動がアジアを中心に国内外に広がる中、IT(情報通信)の先端知識や国際感覚を身に付けた若手診断士の育成戦略を練る。
 現在協会は、銀行や経済団体などに所属する診断士を含め105人が所属する。ただそのうち自身の事務所を設けて活動する診断士は約30人にとどまる。独立する診断士に限定すると平均年齢は60歳前後と高齢化も進んでいるため、若手育成で組織活性化を図る。
 旺盛な個人消費や観光客の増加傾向などで県内企業の活動が活発化する中、診断士の需要も増えているという。西里会長は「診断士の人数自体はまだまだ足りない」との認識だ。
 長期ビジョンの策定については「若い経営者を中心に県内企業がアジアを見ているが、取引がうまくいかないケースもある。一方で私たち診断士も海外ビジネスの経験が浅い。今後沖縄がアジアと経済交流していく中で、協会も企業を支援できるだけの人材を育成しないといけない」と今後を見据えた。(長嶺真輝)