再出発誓うシャウト ロコビッチ


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沖縄のファンの支えを感じ、東京での再出発を誓うように歌うロコビッチ=16日、那覇市のライブハウスOutput

 県出身ロックバンド・ロコビッチのライブ「ロコビッチpresents『最強ツーマンinOKINAWA』」が16日、那覇市のライブハウスOutputであった。マリリンモン・ロコゆい(ボーカル)が「一番尊敬する女性ボーカリスト」と話す、シンガー・ソングライターのヒグチアイとのツーマンライブ。

3年前に上京し、各地で精力的にライブを展開してきたロコビッチ。おなじみの曲から新曲、憧れのヒグチアイのカバーまで幅広い楽曲を歌い、現在の思いを曲に乗せた。
 髪を振り乱し、ギターをかき鳴らすながらシャウトするロコゆい。曲の下地を支えるように重厚な音を奏でるHAPPYベス男(ベース)。喜納“Andy”たつきち(ドラム)の激しく打ち込む音に合わせ、骨太な音から生まれる一つ一つの言葉、音が体にしみ込んでいく。
 沖縄の風景を描いた「ハイブリッド」やヒグチアイのカバー「東京」では悲しげなエレキギターの音色と合わせ、しっとりと聞かせる。新曲「knowbody knows」はスローテンポながら味のある歌声がステージを包む。
 新曲「カラー」は憧れの人にはなれないコンプレックスから生まれた曲。「自分の歌は真っ黒」と話したロコゆい。「それでも、私が真っ暗でも周りの人が輝いているように見えればそれでいい」と語りかけ、言葉を紡いでいく。「ここからスタートしてまた東京で頑張りたい」と話し、最後に歌った曲は、ファンにとっておなじみの「グロウ」。演奏終盤になると、ステージ最前列中央であおるように激しく音を響かせるロコゆいとHAPPYベス男。
 ここ2カ月、東京でもライブがなく、「初めは久々のライブをするのが怖かった」と振り返ったロコゆい。「魔の3年目」(ロコゆい)と話すように、ライブの始まりはどこか悩みを抱えているように見えた。
 それでも1曲1曲、体を揺らし、拳を突き上げ、パフォーマンスに応えるファン。「上京したけど、ライブをしているのは沖縄のおかげ。東京で音楽活動をしていてもずっと見ていたのは沖縄だったのかもしれない」と感謝の言葉を口にした。沖縄のファンが背中を押し、支えていることを全身で受け止め、東京での再出発を誓った。(大城徹郎)