那覇港のコンテナ貨物、過去最高392万トン


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 那覇港管理組合が19日までにまとめた2014年の那覇港統計(速報値)によると、コンテナ貨物取扱量は前年比3・4%増の392万7千トンで過去最高を更新した。一方、このうち輸出入品を積んだ外貿コンテナ貨物は1・6%減の108万3千トンで、港湾計画で掲げた目標値の10分の1にとどまっている。また、那覇港から移出・輸出したコンテナ貨物が62万4千トンなのに対し、移入・輸入のコンテナ貨物は5倍超の330万3千トンに上り、出入りのバランスが悪い極度な「片荷」となっている。

 14年の那覇港への入港船舶は対前年比4・9%増の7905隻。総トン数も13・8%増の2423万9千トンで、ともに増加した。このうちコンテナ船は外航船が16・4%増の327隻、内航船は3・4%減の2401隻だった。
 国内の他の港との内貿コンテナ貨物(移出・移入)の取扱量は5・4%増の284万4千トン。このうち移出が4・9%増の28万9千トン、移入が5・5%増の255万5千トンだった。直接外国の港と取引のあった外貿コンテナ貨物108万3千トンの内訳は、輸出が2・9%増の33万4千トン、輸入は3・6%減の74・8万トンだった。
 03年に改定した那覇港港湾計画は、アジア各地の荷物を沖縄に集約して北米航路に積み替えるという「トランシップ構想」を打ち出し、10年後の平成20年代後半には外貿貨物の取扱量を1020万トンに伸ばすという計画を掲げていた。
 しかし、急速に大型化したアジア各港に押される形で那覇港でのトランシップ構想は機能せず、港湾計画改定から10年を経ても那覇港での積み替え貨物の実績はない。沖縄との直接の輸出入品やコンテナ貨物以外を含めた外貿貨物取扱量全体でも、計画の10分の1程度の100万トン台で推移する状況が続いている。