知事、データで否定 予算優遇 基地経済効果


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(上)返還軍用地の経済波及効果(下)沖縄県2013年度決算ベース(クリックで拡大)

 【東京】翁長雄志知事は米軍普天間飛行場の名護市辺野古新基地建設計画をめぐる18日の第2回集中協議で、沖縄関係予算や基地の経済効果への誤解についても関係閣僚らに資料を示して説明した。

 県は協議後に記者団にも資料を配布した。基地問題と絡めて予算や経済的に「優遇されている」などという風説について、閣僚や全国メディアにデータを示しながら否定した格好だ。
 翁長知事は、記者団に「沖縄が優遇されていると全国的に言われているものについて、間違っているのを正している」と強調した。
 知事が協議で提示したのはA4判3枚の資料。県が受け取った国庫支出金と地方交付税交付金の2013年度ベースの全国順位などをグラフや表で示した。
 2013年度決算額で、国庫支出金は3737億円で全国11位、地方交付税は3593億円で15位、合計7330億円で14位となっている。人口1人当たりでは、国庫支出金は26万4千円で1位、地方交付税は25万4千円で17位、合計51万8千円で6位に位置する。
 知事は今月6、7の両日、政府・与党に対し、来年度の沖縄関係予算3千億円台確保を求めた。
 この3千億円は別枠で求めているものではなく、国庫支出金などに含まれており、県は沖縄関係予算の要請について「国庫要請」だとしている。
 米軍基地の経済への影響については、県民総所得に占める基地関連収入の割合を示し、日本復帰の1972年は15・5%だったのが2012年は5・4%に減っているとした。
 また返還された米軍跡地の経済波及効果は、那覇新都心で生産誘発額が返還前の57億円から28倍の1624億円、雇用者が168人から93倍の1万5560人に増加していることを示した。桑江・北前地区は生産誘発額が3億円から110倍の330億円、雇用者0人から3368人に増えている。
 県は、特別に高額な予算を受け取り、米軍基地経済に頼っていると言われていることが事実と異なっているという数値を列挙した。