高雄航路、あす1年 中国・台湾貨物3倍に


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 南西海運(那覇市、下地米蔵社長)が台湾の大手船会社「万海(ワンハイ)航運」と業務提携を結び、那覇―台湾・高雄航路を開設してから26日で1年を迎える。この1年間で同社が那覇―中国、台湾間で取り扱った貨物量は前年同期比約3倍の6万7025トンと大幅に増加した。20フィートコンテナでみると、1089個から約3倍の3142個に増えた。

 一方、沖縄から輸出する貨物と沖縄に輸入される貨物量は圧倒的に輸入が多く、片荷輸送が解消されていない現状も浮き彫りになった。同社の下地社長は「県全体で輸出量を増やす努力をしなければならない」と語る。昨年8月からことし8月にかけて、南西海運が中国と台湾へ輸出した貨物は1万9578トンで、うち7900トンが高雄で降ろされた。輸出品目は食料品など。
 一方、中国、台湾からの輸入貨物は輸出の約2・5倍の4万7447トン。うち、高雄からの貨物は2万6320トンと最も多かった。輸入品目は原材料など。高雄に運ばれた貨物は、万海航運が別の船に積み替え(トランシップ)、香港に運ばれる。那覇―高雄の輸送時間(リードタイム)は4日。1年間の航海数は48航海。
 南西海運は1995年に那覇―中国厦門間の航路を開設。2012年には厦門から台湾・基隆に航路を延伸した。昨年8月に新造された同社のせつ丸(3409トン)が、那覇―先島―台湾・基隆―中国・厦門―台湾・高雄を結ぶ。
 同社は今後、万海航運以外にも海外の船会社との提携を目指す。平行して、日本本土や高雄以外の港への進出も視野に外航船増設も計画している。万海航運は世界上位に入る大手の船会社で、台湾と世界各国の主要港を結んでいる。日本国内では15港に就航している。南西海運の下地社長は「『片荷輸送』を一朝一夕で解決できるものではないが、沖縄の魅力を高め、沖縄の優れた食料品、建築資材などをアジアや先島に安定供給したい」と話した。