「間違いだらけの婚活にサヨナラ!」仁科友里著


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

バカっぽい婚活本かと思いきや
 なんか頭悪そうな本出てるな~と毒づきながらも手にした私、ええそうですよ、泣く子も黙るお年頃(後期)ですが、何か?
 会社員を経てフリーライターとなった仁科友里による婚活本。表紙には「料理上手がオトコ心をつかむと思っていませんか?」「合コンのために服を買っていませんか?」と、やたらと耳が痛い言葉が並ぶ。そう、本書はこれまで常識とされていた婚活、つまり男に選ばれるためのハウツーを再検証しているのだ。

 仁科は、婚活女子は男の本音を知る必要があると語る。その戦略として彼女は「ちんころじ~」を提唱している。ち、ちんころじ~……。いや、至って真面目に言ってるんですよ。男性の行動原理について彼女は「オトコの判断には無意識に性的メリットが絡む」「オトコは性的メリットを優先する」と語っています。その法則を彼女は「ちんころじ~」と呼んでいるんだそう。
 ちょっとアレな人なのかな仁科さん、という一抹の不安はありつつも、冷静かつ鋭い内容に読み進めてしまう。「努力するから婚活はうまくいかない。足りないのは、魅力ではなく、自信」「青年漫画を読め、グラビアを愛でろ」「『かわいい』は最初のプロポーズ」「オトコを育てようとするな」……あー、痛い、痛いよ、耳が痛い!
 中でも最高潮に印象的だったのが、女性の中での自分のレベルを確認する「相対的外見レベル5段階理論」というもの。例えば職場の女性同期の中で、トップであるレベル5は「用もないのにオトコが寄ってくる。新人時代から重要な取引先の宴席に連れて行かれる」。その下のレベル4は「レベル5が『営業男子に誘われたんだけど、一緒に飲みに行かない?』と最初に誘う子」。そしてレベル3、レベル2と続き、レベル1は……やめましょうこの話!
 思っていた以上に真剣で、生易しくなく、きれいごともない。目からウロコがぼーろぼろで、自分の視界を遮る偏見が、こんなにもあったことにまた驚かされる。角膜傷だらけでした。
 著者の観察眼の鋭さ、チャラチャラした装丁とは裏腹な真剣さに感銘受けまくりの一冊。いやまじで、頭悪そうな本だと思ったらやけどしまっせ。
 (主婦と生活社 1000円+税)=アリー・マントワネット
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アリー・マントワネットのプロフィル
 アリー・マントワネット ライターとして細々と稼働中。ファッション、アイドル、恋愛観など、女性にまつわる話題に興味あり。尊敬する人物は清水ミチコ。趣味はダイエット、特技はリバウンド。
(共同通信)

間違いだらけの婚活にサヨナラ!
仁科 友里
主婦と生活社
売り上げランキング: 4,486
アリー・マントワネット