病気強いパイン開発 沖農P17県が発表


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病害の発生が少なく糖度が高い「沖農P17」=25日、県庁

 県農林水産部は25日、生食用パイナップルの新品種「沖農P17」の開発を発表した。果肉が白く香りが高い「ゆがふ」と、酸度が低く食味の良い「サマーゴールド」を掛け合わせ、糖度19%以上と既存品種に比べて甘みが強い特徴を持つ。

病害の発生が少なく、台風被害にも強いことから、生産農家にとっては栽培管理の効率化も図れる。県は高単価商品として普及を進めていく考えだ。
 県農業研究センター名護支所が研究開発に15年を要したという。農林水産省に品種登録を出願し、7月に受理された。既に県は、2014年度に東村などパインの拠点産地を中心に種苗1万本を配布しており、15年度はさらに3万本の増殖普及を実施していく。
 生食・加工用として主力品種の「N67―10」は台風の際には40~60%の被害が出るという。沖農P17は果実を支える果柄(かへい)が短く、台風でも折れたり倒れたりする被害が少ない。さらに、次の種苗となる「えい芽」や「吸芽」の発生が多く、自家栽培や株出し栽培が容易にでき、種苗購入の経費削減につながる。