キングス、本格始動 「もう一度、原点から」


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 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングスは26日、2015―16シーズンに向けて本格始動した。沖縄市体育館で行われた練習には、台風の影響で沖縄入りが遅れているアンソニー・マクヘンリーを除く全選手が参加した。

昨季に続いて指揮を執る伊佐勉監督の下、新主将の岸本隆一や新加入の喜多川修平、イバン・ラベネルらがTKbjのラストシーズンに向けて出発した。
 今季のテーマに掲げたのは「もう一度、原点から」。昨季はホームで開催されたプレーオフの準決勝で敗れ、リーグ連覇を達成できないまま幕を下ろした。伊佐監督は「去年はどこかで個人に頼っていた。チームバスケこそがキングスの目指しているものだ」と説明。全ての選手が一つになって戦う姿がキングスの原点であることを強調し、「一人一人が仕事を全うできるチームを目指す」と意気込んだ。
 新戦力の喜多川とラベネルはともにチームプレーを得意としており、今季のテーマに見合った活躍が期待されている。ナショナルリーグ(NBL)の昨季王者・アイシン三河で主将を務めた喜多川は「去年のチーム(アイシン)も全員で戦っていた。キングスでもチームで戦う大事さを伝えたい」と自らの経験を生かす考えだ。オールラウンドのプレーが強みというラベネルは「シュートを狙い、味方にいいプレーをさせ、チームに必要とされることをこなす」と決意を述べた。
 キングスは9月9日にトヨタ自動車アルバルク東京(NBL)と、11日に三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋(同)と、19日と20日に日立サンロッカーズ東京(同)とプレシーズンマッチを行う。15―16シーズンの開幕戦は10月2、3の両日、アウェーで広島ライトニングと対戦する。ホームの開幕戦は10月17、18の両日、沖縄市体育館にバンビシャス奈良を迎えて行う。

◆伊佐監督一問一答/すごくいいイメージ
 ―新たなシーズンに向けた決意を。
 「チームが一つになって毎試合を戦う。個人に頼っているようでは去年のような成績になってしまう。同じ過ちを繰り返さないためにもボールと人を動かして、チャンスがあればどこからでも得点できるオフェンスを行う」
 ―チームが目指すものは。
 「チームバスケを徹底するキングスの原点に戻ることだ。全員で戦って、ファンも一緒になって楽しめる試合を続けた先に、いい景色が待っているはずだ」
 ―新加入選手の印象は。
 「喜多川は得点面も期待できるし、チームプレーでも力を発揮できる。イバンも周りを生かせるいい選手だ。数字に表れない仕事をしてくれる」
 ―現時点での手応えは。
 「日本人選手は6月から体作りを始めていて、仕上がりはとても早い。チームの約束事もできていて、例年よりもいい。チーム全体の仕上がりも早くなるはずだ。すごくいいイメージを持てている」

◆「責任と覚悟持って」/力込める新主将・岸本
 キングスのエース・岸本隆一が新シーズンから主将としてチームを引っ張る。常に勝利が期待されるチームの主将となり「身の引き締まる思いだ。責任と覚悟を持ってプレーする」と強い決意を胸に抱いた。
 ルーキーとして2013年に加入し、与那嶺翼や金城茂之など歴代主将の背中を見て成長してきた。「翼さんはプレーに左右されずにチームに貢献できるし、金城さんは言葉にしなくても先頭に立って思いを伝えていた」と印象を語る。主将の大役を引き継ぎ「2人のいい部分を取り入れ、自分の色で表現したい」と力を込めた。
 優勝を逃した昨季について「到達したい場所は同じだったけど、そこへ進むための方法が違っていた」と反省する。
 新たなシーズンに向けて「みんなで同じ道を進みながら、いいチームを目指したい」と強調。リーグの頂点に登り詰めるためにチームを一つにまとめるつもりだ。

新シーズンに向けて本格始動し、練習に汗を流す琉球ゴールデンキングスの選手たち=26日、沖縄市体育館
キングスの新主将としてチームを引っ張る岸本隆一