宿泊特化型ホテルの稼働増 海外客対応、人材不足も 県調査


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 沖縄県は25日までに「県内ホテル産業調査報告書」を発表した。県内ホテル全体の業績が好調に推移している中で、レストランや宴会場を持たず自動チェックインシステムなどを導入する宿泊特化型ホテルが伸びていることが分かった。予約方法について、100室以上300室未満の中規模から300室以上の大規模ホテルは旅行代理店への依存度が高く、今後自社サイトや予約サイトなどでの販売強化が求められる。一方、外国人客の増加などで語学対応できる人材の不足は業界全体の課題となっている。

 県観光要覧によると、2009年度以降県内ホテルの客室稼働率は上昇傾向があるが、平均客室単価の低下傾向が見られる。
 リゾートホテルの09年度の客室稼働率は67・5%だったが、13年度までの4年間で8・6ポイント増の76・1%となった。それに対して09年度の平均客室単価は2万1971円だったが、13年は9・3%減の1万9930円となった。宿泊特化型ホテルの09年度の稼働率は58・5%だったが、13年度までの4年間は16・3ポイント増の74・8%と大幅に伸びた。
 しかし、09年度の平均客室単価は6562円に対して、13年度は6・6%減の6126円となった。
 同報告書は、平均客室単価の上がらない理由として「人手が不足しているために頻繁な見直しは難しい」「リピート客との関係から、きめ細かい設定が難しい」「高いレート設定に対してリピーターからお叱りがあった」などを挙げている。
 また、自社サイトや予約サイトなどネットでの販売強化が求められるが、県内ホテルはブランド力、販売力に限界があり、ネットによる個別集客が不十分だという。
 県は14年9月29日~11月7日まで県内380社にアンケートを実施し、うち115社から回答を得た。回答率は30・2%だった。
 一方、県は14年度に県内4中小ホテルにアドバイザーを派遣し、経営戦略の改善を行った。本年度も実施しており、専門的なコンサルティングの支援などを必要とする事業者約5社を募集している。問い合わせは県観光産業経営強化事業事務局(電話)098(860)7704。