県内企業、食品見本市で販路拡大 ドイツにも出展


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東京都のビッグサイトで9月に開催される「グルメ&ダイニングスタイルショー秋2015」に出品される県産品

 国内外で開催される食品見本市や展示会に参加する県内企業が増えつつある。ことし10月には、ドイツ・ケルンで開催される世界最大級の食品見本市「ANUGA」に県内で唯一、石垣の塩(石垣市)が初出展する。9月2~4日には、東京都のビッグサイトで開催される食品展示会「グルメ&ダイニングスタイルショー秋2015」に県内から6社が出展する。

 コーディネーター役を務める県中小企業団体中央会は、展示会などを通じた県産品の販路拡大に期待を寄せている。展示会などへの出展は昨年度に始まった県の「地域ブランド戦略的活用促進事業」の一環。委託を受けた中小企業団体中央会を通じて、県内企業が出展する食品見本市は本年度内に国内外合わせて11回あり、延べ47社が参加する。昨年は6回で、延べ8社が参加した。
 物産展と違い、見本市や展示会は、来場者が数万人規模で、世界規模になると数十万人規模になる。来場者も経済関係者に限定している場合もあるため、商品が来場者の目に留まれば、その場で商取引できるなど販路拡大につながる可能性が高い。
 県中小企業団体中央会の吉原浩一さんは「北海道や高知県などの他県と比べて、沖縄はまだまだ展示会などへの取り組みが弱い」と指摘。「自社商品の付加価値を高め、県外はもとより海外に販路を広げるためには、来場者が自宅の食卓で食べたいと思わせるものをつくる必要がある」と述べた。
 同中央会によると、9月の「グルメ&ダイニングスタイルショー秋2015」には国内から165社の食品メーカーなどが出展予定で、2万5千人の来場者を見込む。県内からは、ロハスダイニング宮古島(宮古島市)、請福酒造(石垣市)、川平ファーム(石垣市)、上原ミート(豊見城市)、ひろし屋食品(那覇市)、あうん堂(那覇市)│の6社が出展する。うち、ひろし屋食品とあうん堂は展示会初出展。
 マンゴーやシークヮーサーなどの県産食材を使用したジェラートを販売するあうん堂の福田修社長は「県内の市場だけでやっていくのは厳しい。見本市を通じて、県産食材の素晴らしさを県外に伝えるとともに販路を拡大したい」と意欲を見せた。同じく、ひろし屋食品の糸数力也社長は「県内の豆腐屋が食の展示会に出展するのは初めて。販路拡大に向けて、県内豆腐屋の先駆者として、島豆腐を売り込みたい」と話した。