第一牧志公設市場移転へ 那覇市が方針


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 老朽化のため再整備事業が計画されている第一牧志公設市場について那覇市はこのほど、建て替え場所を同市松尾の「にぎわい広場」と決めた。7日の市議会9月定例会代表質問で、平良仁一氏(新風会)の質問に名嘉元裕経済観光部長が答えた。

市は10月に市場関係者らを対象に説明会を開き、正式決定に向けて理解を求めていく方針。一方、現市場での建て替えが最善と主張してきた第一牧志公設市場組合は市の決定を疑問視している。
 市は正式決定後、2015年度中に基本計画を策定し、5年後をめどに供用開始を目指す。
 第一牧志公設市場組合の粟国智光組合長は「広場は導線に問題があり、ほとんど業者も入らず01年に閉鎖された第二牧志公設市場の跡地だ。その総括もなく、この場所に移設するのはおかしい」と疑問を呈し、協議不足のまま正式決定となる恐れを指摘した。
 市の基本構想では、新たな設置場所は(1)現在地に建て替え、事業者は一時営業休止(2)現在地に建て替え、工事中はにぎわい広場に仮店舗(3)にぎわい広場に移転―が想定されていた。
 市なはまちなか振興課の担当者は「これまで市場事業者や周辺通り会の関係者へのヒアリングも行ってきた。候補地案についても意見を聞き、正式決定としたい」と強調した。
 市は建て替え候補地案選定に際し、関係部長職で構成する中心市街地活性化推進本部で(1)安全性・防災機能(2)にぎわいの維持・創出(3)コスト削減(4)まちなか居住への寄与(5)市場機能の継続性(6)将来における中心商店街の再整備―について検討。その結果、同広場を候補案に選定した。