キングス悔しい大敗 bjリーグプレシーズンマッチ


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キングス―トヨタ 第2クオーター、インサイドに切れ込んでシュートを決めるキングスの岸本隆一=9日、沖縄市体育館(諸見里真利撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングスは9日、沖縄市体育館でナショナルリーグ(NBL)のトヨタ自動車アルバルク東京とプレシーズンマッチを行い、84―103で大敗した。

キングスは第1クオーター(Q)の開始直後から岸本隆一を中心に得点を重ねて優位に立った。手堅い守備からの速攻を見せるなど持ち味も発揮したが、ミスが出た中盤以降は接戦となった。第2Qはトヨタの激しい守備に手を焼き、開始直後から連続失点して一時は11点のリードを許した。キングスは津山尚大を投入して流れを変えると、ドゥレイロン・バーンズが内外から得点して追い上げた。50―51で迎えた第3Qは素早く攻撃を仕掛けるトヨタの前に攻守で後手に回り、一気にリードを広げられた。第4Qにキングスは新加入のイバン・ラベネルが粘り強く得点したが、白星は遠かった。キングスは11日午後7時半から、同体育館でNBLの三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋とプレシーズンマッチを戦う。(観客2820人)

トヨタ自動車アルバルク東京
103―84(24―24,27―26,31―16,21―18)
琉球ゴールデンキングス

 【評】キングスが後半に失速して103点を奪われる大敗を喫した。前半は岸本や津山、バーンズを中心にキングスがいい形で得点を重ねた。トヨタも速い展開でキングスの守備を崩し、両者が譲らない接戦となった。後半は勢いの衰えないトヨタに対してキングスの足が止まり、リードを広げられた。
(平安太一)

◆去年よりは戦えた
 伊佐勉監督(キングス)の話 去年よりは戦えた。やろうとしていることの形を見ることもできたし、課題ももちろんあった。試合前にはチームで戦うように伝えた。チームもベンチも去年にはない、いい雰囲気になっている。負けたけど手応えのあった試合だった。

◆大事な場面で得点
 伊藤拓摩HC(トヨタ)の話 すごい盛り上がりの中で、いつも以上にシュートが入った。コーチ陣も選手たちも楽しそうにプレーしていてうれしかった。大事な場面で自分たちのシュートが入って、相手のシュートが入らなかった。そこで流れが変わった。

◆厳しい船出も手応え
 新生キングスの船出は厳しいものとなった。相手の攻撃を止められない一方で、自らのシュートはリングに嫌われる。103点を献上し、19点差をつけられての大敗。チームが本格的に始動して約2週間で、状態が万全じゃないことも確かだった。ただ、現時点では強豪のトヨタに力が及ばないことを思い知らされた。
 後半に明暗が分かれた。インサイドで軽やかに攻撃するトヨタに対して、動きの鈍ったキングスの守備は後手に回った。第3Qの開始時点でわずか1点だったビハインドは第4Qを迎えるころには16点に。伊佐勉監督は「相手の攻撃の判断が良くて、そこへの対応が遅くなった」と失点の原因を分析する。
 一方、トヨタと1点を争う接戦を繰り広げた前半はキングスの強さを見せた。第2Qには10点以上のビハインドを背負う場面で、津山尚大が躍動して劣勢をはねのけた。新主将としてチームを引っ張った岸本隆一は「点差以上に差はないと感じた」と一定の手応えもつかんでいる。
 TKbjリーグ最後の1年へ、そして統一リーグへ。第一歩を踏み出したキングスは、課題と収穫の両方を見詰める。「僕らの目指すバスケを表現して次は勝ちを取りに行く」と岸本。強い決意を胸に抱いて、新たな戦いに挑む。
(平安太一)