キングス、三菱電機名古屋に67―84 プレシーズンマッチ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
キングス-三菱電機 第1クオーター、守備を振り切ってシュートを放つキングスの喜多川修平=11日、沖縄市体育館(又吉康秀撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングスは11日、沖縄市体育館でナショナルリーグ(NBL)の三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋とプレシーズンマッチを行い、67-84で大敗した。

 第1クオーター(Q)は両者が一歩も譲らない接戦になった。キングスは岸本隆一の3点弾やイバン・ラベネルのインサイドでポイントを重ねると、三菱電機は外国籍選手を中心に攻めて互角の展開に持ち込んだ。第2Qに入るとキングスの得点が止まり、ミスが続くうちに三菱電機に流れが傾いた。一時は10点以上のリードを奪われたが、キングスは喜多川修平の3点弾などで食らいついて35―43で前半を折り返した。第3Qに入っても得点を伸ばせないキングスに対して、三菱電機は内外から効率よくシュートを決めてリードを広げた。キングスは第4Qに喜多川の得点で粘ったが、白星には遠く及ばなかった。キングスは19、20の両日、豊見城市民体育館で日立サンロッカーズ東京とプレシーズンマッチ2連戦を行う。(観客3283人)

三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋
84―67(21―22,22―13,16―11,25―21)
琉球ゴールデンキングス

 【評】キングスが第2Qから失速して三菱電機が圧勝した。第1Qはキングスのリズムが良く、五分の展開になった。第2Qに入るとキングスは攻守で流れをつかめず、三菱電機は安定したプレーでリードを広げた。後半に入っても三菱電機が攻守で優位に立ち、キングスに主導権を渡さないまま勝利を手にした。キングスは第2Qに崩れた後から持ち味を出せなかった。(平安太一)

◆強気なプレー裏目に
 伊佐勉監督(キングス)の話 やろうとしたことができず、「悔しい」を通り越して「悲しい」と感じている。攻撃がうまくいかないときにフラストレーションがたまり、自分が打開しようと強気にプレーしたことが裏目に出た。統一リーグに向けて力の差を埋めないといけない。必ずチームで立て直す。

◆沖縄でいい経験
 レジー・ゲーリーHC(三菱電機)の話 沖縄でいい経験ができた。最初は沖縄のスピードに驚かされた。第2Qから沖縄のオフェンスリバウンドを抑え、自分たちのターンオーバーを減らしたことで(点が)伸びた。

◆チームプレー体現できず
 新生キングスの初勝利を願うファンの大歓声は、ため息に変わった。トヨタとの試合に続いて2桁の点差をつけられての大敗。堅守と速攻を武器とする「強いキングス」は最後まで影を潜めたままだった。「自分たちから崩れてしまった」。試合を振り返る岸本隆一の表情に悔しさがにじんだ。
 今季は全選手で連携するチームプレーを追求しているが、試合では真逆の展開になった。相手守備を崩せない場面で苦し紛れの個人技が目立ち、難しい体勢で打たされるシュートはことごとくリングにはじかれた。「チームでやろうと話しているのに(個人の)能力で押そうとする。そこは求めていない」と伊佐勉監督は切り捨てた。
 我慢の時間が続いた第2Q以降は、「点を取れない時間は守備で頑張ろうと思った」と言う喜多川修平がスチールを決めるなど奮起した。それでも攻撃はチームプレーを体現できず、重苦しい雰囲気のままで試合終了となった。
 岸本が「新しいことをやるための土台作りの段階」と言うように、チームは試行錯誤をしながら新たなシーズンに向かっている。苦しい戦いが続くが、岸本は「この状況を乗り越えればどこが相手でも止められないチームになれる」と信じている。(平安太一)