同世代に沖縄学ぶ 関東学院大・中京大 沖国大生と交流


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基地問題などについて率直に意見交換する沖縄国際大・佐藤ゼミと関東学院大・吉田ゼミの学生ら=2日午後、宜野湾市の沖縄国際大

 大学の夏休み期間中、ゼミ旅行などで沖縄を訪れた県外学生と県内学生の交流が活発だ。沖縄国際大学で2日、法学部の佐藤学教授のゼミに関東学院大学(神奈川県)の学生が、経済学部の前泊博盛教授のゼミに中京大(愛知県)の学生が訪れ、沖縄の基地問題を学び、それぞれの取り組みを発表し合った。

同世代の学生と顔を合わせて話すことは「県外に出る機会が少ない沖縄の学生にとって勉強になる。個人的な人脈も広がる」(前泊教授)と県内学生にとっても実りは大きいようだ。
 佐藤ゼミを訪れたのは、関東学院大法学部の吉田仁美教授のゼミで憲法を学ぶ学生14人。大学の近くの厚木や横須賀に米軍基地があり「安保法制の審議が進む中、新基地反対運動がある沖縄の今を見たい」と学生が企画し、3泊で嘉手納基地や名護市辺野古、自衛隊那覇基地などを回った。
 沖国大では、普天間飛行場を校舎の屋上から見て、ヘリ墜落事故の現場で佐藤教授から説明を受けた。その後、小グループに分かれて吉田ゼミで事前に準備した質問を佐藤ゼミの学生にぶつけた。
 「翁長県政の評価」「基地返還後の経済」など準備した質問のやりとり以上に充実したのは「実際のところ沖縄のイメージって?」(佐藤ゼミ)「ユニバーサルスタジオができることをどう思う?」(吉田ゼミ)など、基地や沖縄振興に関わるざっくばらんなおしゃべり。同世代同士で盛り上がり、笑い声も上がった。
 吉田ゼミのゼミ長を務める3年大橋拓矢さん(20)は「基地があまりに近くて驚いた。沖縄の学生とは視点も異なり、この経験を基に自分の考えを深めたい」。迎えた佐藤ゼミの4年久米篤さん(22)は「基地の大きさも、県民がなぜ反対しているかも県外に十分伝わっているとは思えない。直接話すことでイメージが変わればいい」と期待し「質問に答えることで自分たちも勉強になった」と喜んだ。