キングス一歩及ばず プレシーズンマッチ 日立東京に81―85


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キングス―日立東京 第4クオーター、相手守備をかわしてシュートを決めるイバン・ラベネル=19日、豊見城市民体育館(花城太撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングスは19日、豊見城市民体育館でナショナルリーグ(NBL)の日立サンロッカーズ東京とプレシーズンマッチを戦い、81―86で敗れた。キングスは第1クオーター(Q)の開始直後からスピード感のある攻撃を仕掛けた。

シュートがリングに嫌われる時間も大宮宏正がリバウンドを拾い、悪い流れを何度も断ち切った。第2Qの序盤はミスが続き、得点が止まる時間もあった。それでも岸本隆一の連続3点弾などで追い上げ、45―44とわずかにリードして前半を終えた。第3Qはミスが目立ち始めた日立東京に対してキングスが着実に加点してリードを保った。第4Qはキングスが日立東京の守備に手を焼いて逆転を許し、最後まで粘り強く食らいついたが勝利を逃した。日立東京との第2戦は20日午後6時から同会場で行われる。(観客2693人)

日立サンロッカーズ東京
 86―81(21―25,23―20,17―19,25―17)
琉球ゴールデンキングス

 【評】互いにリードを奪い合う接戦で、第4Qに日立東京がキングスを引き離した。第1Qはキングスが堅守と速攻で優位に立った。第2Qはシュートが入らないキングスに対し、日立東京が安定したプレーで主導権を握った。第3Qはキングスが日立東京のミスを突いてリードを広げたが、第4Qにキングスの得点が伸びずに逆転された。
(平安太一)

◆新シーズンへ手応え 攻守で一丸連係
 新たなシーズンに向けて確かな手応えがあった。今季のチームが追い求めている速い攻撃と、攻守で全選手が連係するチーム力が光り、白星を目の前まで引き寄せた。結果は5点差の敗戦。新チームの初勝利は逃したが、岸本隆一は「やっとスタートラインに立てた」と目指しているバスケットが形になりつつあることを感じている。
 11日の三菱電機名古屋戦では悪い雰囲気にのみ込まれ、チームが一つになれずに大敗を喫した。日立東京戦に向けて取り組んだのは、「うまくいかないときでも気持ちを切り替えること」(岸本)。我慢の時間でも全員が前を向き、常にフレッシュな気持ちで戦うことを目指した。
 第2Qはミスから相手に主導権を握られたが、崩れることはなかった。大宮宏正は体を張ってリバウンドを拾い、岸本は連続3点弾でチームを勢いづけた。接戦となった第3Qはイバン・ラベネルがリングをこじ開け、「チームのオフェンスが良かったおかげ」と仲間に感謝を込めた。
 プレシーズンマッチは3連敗中で、伊佐勉監督は「そろそろ勝ちたい」と渋い表情を隠さない。しかし、「内容は充実している。最後は勝ってシーズンに入る」と20日のプレシーズンマッチ最後の一戦を見据えた。(平安太一)

◆今季につながる
 伊佐勉監督(キングス)の話 勝てなかったのは悔しいが、今シーズンにつながるいいゲームはできた。ボールと人が止まらないアップテンポなバスケを目指していて、ほぼそれができた。2日目の試合で同じバスケをどれだけできるか楽しみだ。

◆厳しいゲーム
 マイケル・オルソンHC(日立東京)の話 沖縄の素晴らしいチームと素晴らしい雰囲気の中で試合ができた。抜きつ抜かれつの厳しいゲームだったが、第4Qにゾーンディフェンスに切り替えたことでエネルギーのあるゲームをやることができた。