キングス後半加速 プレシーズンマッチ 日立東京に82―67


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キングス―日立東京 第3クオーター、相手守備を引き付けて仲間にボールを回すドゥレイロン・バーンズ=20日、豊見城市民体育館(花城太撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングスは20日、豊見城市民体育館でナショナルリーグの日立サンロッカーズ東京とプレシーズンマッチを行い、82―67で勝利した。

第1クオーター(Q)は両チームのシュートがリングを捉えられず、ロースコアの接戦になった。キングスはボールと人を動かしながら点を重ね、わずかながらリードを奪った。第2Qもシュート精度は上がらなかったが、守備で踏ん張って五分の展開に持ち込んだ。キングスはファウルが重なって逆転を許し、28―29で前半を終えた。第3Qに入るとドゥレイロン・バーンズのアウトサイドが当たり出し、勢いを落とさない日立東京に食らいついた。第4Qは喜多川修平が攻撃を引っ張り、リードを大きく広げて新チームに初勝利をもたらした。キングスは10月2、3の両日、アウェーで広島ライトニングと2015―16シーズン開幕戦を迎える。(観客2684人)

琉球ゴールデンキングス
 82―67(16―13,12―16,27―25,27―13)
日立サンロッカーズ東京

 【評】キングスが後半に加速して日立東京を突き放した。前半は両チームがいい形で攻撃を組み立てたが、シュートが決まらずロースコアとなった。後半はインサイドで強さを見せる日立東京に対し、キングスは外から得点した。終盤にかけて日立東京のミスが増え、キングスが畳み掛けた。
(平安太一)

◆目指すバスケ、形に 新チーム初勝利
 キングスは動きを止めなかった。第4Qに入ってもボールを動かし、全力でコートを駆け回った。そして、ペースが落ち始めた日立東京を一気に突き放す。伊佐勉監督は「理想の形」と言う。高さで勝る相手にスピードと運動量で立ち向かい、最後に勝利を奪い取る。今季のキングスが目指しているバスケットが、プレシーズンマッチの最終戦で形になった。
 待ち望んでいた新チームの初勝利だった。第1Qの序盤から闘志をむき出しにして、攻守で積極的にプレーし続けた。シュートが入らない時間は守備で踏ん張って日立東京の得点も抑えた。ドゥレイロン・バーンズは「ディフェンスで止めることができたので厳しい時間も苦しいと思わなかった」と言う。
 第3Qはバーンズがチームを引っ張った。連続3点弾で攻撃の口火を切ると、終了間際にはブザービーターの3点弾を沈めて会場を沸かせた。「シュートが入り始めたらリズムに乗れた」と表情を緩めた。
 プレシーズンマッチの成績は1勝3敗。伊佐監督は「1勝がこんなに難しいとは」と厳しかった戦いを振り返る。ただ、キングスが目指すバスケを貫けば強豪チームから白星を手にできることも証明できた。「速いテンポのバスケを追求する」と誓う指揮官とともに、新生キングスはまだまだ成長していく。(平安太一)

◆勝利で成功体験
 伊佐勉監督(キングス)の話 お客さんに勝利を見せられて良かった。自分たちがやってきたことが形になり、成功体験をしたことで球団として正しい方向に進んでいると感じられた。課題も見つかったので、今後も一つ一つ積み上げていきたい。

◆ミスを拾われた
 マイケル・オルソンHC(日立東京)の話 最後は自分たちのミスをキングスに拾われた。勝ちたいと思う気持ちはキングスが上回っていて、最後まで諦めない気持ちはプレーに出ていた。キングスの監督は選手に自信を注入して試合に臨んでいた。