最賃、半数に影響 県中小企業団体中央会


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 10月から県内の最低賃金が16円増の693円に引き上げられることを受け、県中小企業団体中央会(津波古勝三会長)は23日までに、経営基盤が弱い県内中小企業に及ぼす影響を把握するため加盟団体への聞き取り調査を実施した。

中央会に加盟する22業種組合のうち、ビルメンテナンス業、豆腐油揚業、青果卸売業の3業種が経営へのマイナスの影響が「大いにある」と回答し、「多少ある」と答えた8業種と合わせ、半数の組合が一定の影響があるとした。
 同中央会は「人件費の割合が高い業種で影響が想定される。年間契約が主体の清掃業務などは、契約途中で最低賃金が引き上げられたからといって人件費の割増分を価格転嫁することもできず、利益が圧縮される」と指摘した。
 一方、経営へのマイナス影響が「ほとんどない」としたのは6業種、「全くない」は1業種だった。最低賃金が引き上げられても、既にそれ以上の金額で雇用しているため影響はないとの見方だ。「分からない」の回答は4業種だった。
 また、マイナスの影響が「ある」と答えた11業種に対応策を複数回答で聞いたところ、「生産性向上の努力」が6業種で最も多かった。「労働時間を短くする」「新規雇用を控える」「商品・サービスの価格引き上げ」の回答も3業種ずつだった。
 具体的な意見では「魅力ある業界のためには、最低賃金の県外との格差をできるだけなくして雇用を伸ばす。経営上のマイナス影響の危惧よりは、自社の収入アップを考えていかなくてはならない」(ホテル旅館業)との指摘があった。