松くい虫被害増加 少雨影響で2倍 今帰仁・本部


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県内松くい虫被害量の推移

 今帰仁村と本部町で、2014年度の松くい虫による被害量が前年度比1・6~2・4倍増加していることが2日、分かった。県内全域の被害状況は前年度比12・6%減少。しかし、同地域では少雨傾向が続き、松くい虫が寄生するリュウキュウマツの抗体力が減退した結果、被害が拡大した。島田勉県農林水産部長が、県議会一般質問で具志堅透(自民)県議に対し答弁した。

 県や各市町村はこれまで、被害木の伐採や薬剤散布などで松くい虫の防除と被害拡大防止に努めてきた。松くい虫被害は03年度に約4万4千立方メートルとピークを迎え、04年度からは年々減少傾向にある。
 14年度の松くい虫被害量(米軍施設内など国有林は除く)は、県全体で前年度比12・6%減の約2千立方メートルだった。地区別では、北部が1800立方メートル、次いで中部が150立方メートル、南部が28立方メートルと、北部地区に被害が集中している。
 最も被害が大きかったのは名護市で前年度比53・7%減の683立方メートル。今帰仁村は2・4倍の592立方メートルで、本部町が1・6倍の487立方メートルだった。
 県の森林管理課は、今帰仁村と本部町の被害が急増したことについて「北部地域の土壌は、石灰岩で渇水に弱い。さらに昨年少雨が続き、リュウキュウマツの抵抗力が弱まったことも影響している」と説明した。