郷里の偉人を希望に 尚巴志語り部、大里北小で紙芝居


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 【南城】三山を統一して琉球王朝初代王となった尚巴志の偉業を地域の子どもたちに伝え希望につないでもらおうと、尚巴志語り部のメンバーが9月28日、南城市立大里北小学校(比嘉葉子校長)で尚巴志の紙芝居を上演し感激させた。

 「尚巴志-未来へ一歩踏み出す勇気」の紙芝居テーマを中央に据え、両側には「尚巴志スピリット」とミサゴと評されるほどの俊敏な行動力を表した「鬼鷲」の垂れ幕を掲げ公演に臨んだ。
 県立芸大非常勤講師の新垣俊道さん、宮里舞子さん、語り部の仲村渠浩美さん、大濱絵里子さんら5人が、2階の図書室で4年1組の児童25人に尚巴志の生い立ちから旧佐敷村の按司(あじ)を経て琉球王になって活躍するまでを細やかに語った。
 より分かりやすくするため、語りの合間に新垣さんが三線と胡弓(こきゅう)、横笛を代わる代わる奏で、宮里さんが大小の太鼓をたたいて効果を醸し出し、児童たちは真剣な表情で聞き入っていた。
 市でも、郷里の歴史的な人物をより多くの市民に知ってもらおうと「尚巴志活用マスタープラン(基本計画)」を作成し、尚巴志語り部を後押ししている。紙芝居公演には大城秀子市文化課長も駆け付け見守った。
 児童の桃原瑠夏さんは「人を思いやる尚巴志の心がとっても素晴らしかった」と感想を述べた。
(知花幸栄通信員)