八重山病院着工遅れ 人手不足背景に入札不調


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 石垣島で10月着工を予定していた「新県立八重山病院」の本体建築工事の入札で、各社の入札額が県の予定価格の範囲をいずれも上回り、不調となっていたことが8日分かった。

業界の人手不足を背景に、離島現場の労務費をめぐり業者と県の積算額の間に開きがあった。県病院事業局は年内着工に向け再公告の準備を急ぎ、現段階では 2017年度開院を目指す計画に変わりはないとしている。一方、県は12月をめどに石垣市内で県営新川団地建て替え工事の入札を実施する予定も重なること から、不調回避の対応についても部局間で調整している。
 県立八重山病院は旧石垣空港跡地に新築移転する計画で、8月10日に建設工事の入札が公告され、本体建設は4工区に分けて発注された。9月17日に開札 したところ1工区は3共同企業体(JV)、2~4工区にはそれぞれ2JVが応札した。しかし、4工区とも各社の提示額が予定価格を上回る結果となり、各社 は再入札を辞退。入札が不調に終わったことで、10月を予定していた着工時期もずれ込むこととなった。
 8日の県議会経済労働委員会で砂川利勝県議(自民)は「県営団地の建て替え工事も控え、人手不足は相当厳しくなる。大きな額になるほど赤字になるとして業者が入札を回避すれば、せっかくの事業の完成時期がずれ込んでいく」と対応を求めた。