県系移民の歴史学ぶ ブラジル3世が授業


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ブラジル3世の2人を講師に招き、「移民」の授業を聞く宮城小の児童ら=6日、浦添市の宮城小

 【浦添】浦添市の宮城小学校で6日、6年生を対象にした「外国を知ろう!南米にある『うらそえ』」をテーマに、総合授業の一環で特別授業が行われた。講師は浦添市南米移住者子弟研修生で、7月に来沖したブラジル3世の山田ジェシカ明美さん(20)=祖父が屋富祖出身=と、当銘フェリッペひろゆきさん(22)=祖母が牧港出身。「移民」を知らない児童らに歴史について伝えることが目的。

 2人は「ブラジルの国旗はどれ?」「有名なブラジルのダンスは?」などとクイズ形式でブラジルを紹介し、沖縄から1908年に移民船「笠戸丸」に乗って県出身者らがブラジルに移民したことなどを伝えた。

 船で51日間かけてブラジルにたどりついたものの、コーヒー畑の仕事ではなかなかお金がたまらず苦労したこと、今では日系人が約160万人いることを説明した。

 児童たちからは「ブラジルの伝統料理は何か」「ブラジルの動物にはどんなのがいるの」などと次々と質問が上がり、2人は流ちょうな日本語で答えていた。授業を受けて仲井間貴大(きだい)君(12)は「ブラジルの文化と暮らしは日本と違っていて興味を持った。行ってみたい」と話していた。

 2人は12月まで県内に滞在し、日本語や三線、琉舞、書道など日本文化を学んでいる。同様の授業は来月、市内の前田小学校でも予定している。