沖縄コカ・コーラ、陽圧充填機を導入 缶コーヒーの香り前面に


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缶コーヒーなどの製造ラインで1月から稼働する新充填機=7日、浦添市伊祖の沖縄コカ・コーラボトリング

 沖縄コカ・コーラボトリング(高橋俊夫社長)はことし1月に缶コーヒーの製造ラインを更新し、「陽圧封入」が可能な充填(じゅうてん)機を導入した。缶に飲料を封入する際に、缶内部を外気圧よりも高い気圧状態(陽圧)にできることにより、缶のふたを開けた時に一気に広がるコーヒーの香りを楽しめる。また、使用素材をアルミ缶に切り替えることも可能となり、製品の軽量・省資源化を図った。

 同社は7日に報道陣に工場内部を公開した。浦添工場ではペットボトル、水、缶など計6ラインで年間約670万ケースを製造する。コーラをはじめファンタやスプライトの炭酸飲料、ジョージアブランドの缶コーヒー、スポーツドリンクのアクエリアスなど、コカ・コーラ製品のほぼ全てを県内で製造する。さんぴん茶、紅茶花伝、アクアバリューなど沖縄限定ブランドもあり、「沖縄は多くの種類を少量ずつ製造する、小ロット・多品種が特徴」(同社製造部)という。

 製造6ラインのうち、コーヒーやお茶を充填した後に缶ごと加圧加熱殺菌する「レトルトライン」について、約1億円を投資して充填機を更新した。陽圧方式への対応について上村行弘常務執行役員(浦添工場長)は「コンビニが店頭のカフェ展開に力を入れている中で、われわれメーカーもコーヒーの香りが湧き立つ缶製品を追求する必要があった」と語る。

 生産量はこれまでの「陰圧方式」の充填機と同じで、180ミリリットル缶なら1分間に820缶充填する。一方、缶の内圧を外気圧より低くする陰圧方式は、缶内の空気を抜いても形状が保持できる、強度の高いスチール缶を使用してきた。これに対し陽圧方式は缶が薄くても形状を保持できるため、鉄に比べて軽く、価格も安定しているアルミ缶に素材を切り替えることが可能となった。