「中国に住んでいかがですか?」「中国に暮らして長いですか?」「1年? 3年?」―沖縄からの訪問客との間に交わす会話の一幕である。
振り返ると、以前は沖縄からの訪問者が中国の暮らしぶりを、それほどまでに気に掛ける様子はなかった。ひたすらに商談や観光などを済ませ、日程に追われるように立ち去るのが常だったような気がする。
それが近ごろは旅行者、学生あるいは企業家ですら最初のあいさつ代わりに、福州での暮らしぶりをなにかとよく聞いてくるようになった。
那覇を出発して台湾、香港、あるいは上海、福州へと中国の地を見るに連れ、出発前に想像したあの中国が全く違った様相を呈しているのに戸惑いを隠せなくなるようだ。
「中国はこんなにも都会だったのですか?」「福州ってどこか沖縄に似ているところがあるけど大都会ですね。びっくりしました!」
会話が弾むに連れ、沖縄で想像していた以上に街並みや発展ぶり、近代化に大きな隔たりを感じ、驚き戸惑っている様子が伝わってくる。
最近は、退職、第2の人生、新たな挑戦などを契機に福州を訪れる人も増えた。
3カ月程度の短期滞在、あるいは「福州・中国で自らを試したい」など新たな自己確立、また「中国の文化に触れてみたい」と、福州での海外生活をスタートさせる人もいる。福州訪問者の意識も多様化してきている。
(仲宗根信明・産業振興公社福州事務所長)
【交差点】福州訪問者の変化
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琉球新報社
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