【交差点】WUB世界大会


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 第11回WUB世界大会が9月18、19日、中国上海で開催され、わたしも参加した。
 大会に先駆けて琉球交易時代の琉球人の足跡をたどる「福建の旅」にも参加し、琉球墓群や琉球館などを視察した。
 約500年前に渡来した先人は、ガジュマルの葉が覆う亀甲墓に眠っていた。線香を手向けて墓群に向かっていると、先人の心意気に触れて立ち去りがたいものがあった。
 WUB大会前夜のパーティーでは、世界各国の県系人が、外灘を一望する5つ星ホテルのホールで、再会できた喜びを笑顔と握手で分かち合った。
 大会当日の開会式には120余人が参加。各支部長が今回の大会に参加した熱い思いを語った。
 沖縄経済特区セミナーでは、上海や北京などの企業家約180人が、沖縄の情報や金融特区に注目していた。
 エグゼクティブパーティーの終盤には、上海エイサー太鼓グループと日出克氏と、空手武道家の会旗である櫂(かい)を使った演武のコラボに合わせて、私もカチャーシーの輪の中にいた。
 琉球墓群に眠る先人たちやWUBが踏み出した第1歩が、時空を超えて世界各国で脈々と息づき熱いまなざしを受けている。これらを生かして実質的経済活動に結びつけることが大会の目標である。
 インターネットで討論が可能な昨今ではあるが、一堂に会して交わす笑顔と握手とカチャーシーは何物にも替えがたい。来年はブラジルで開催される。会旗の「櫂」が中国支部長からブラジル支部長に手渡された。
 (池宮城克子・雑誌編集者、ウチナー民間大使)