【交差点】14年ぶりの上海


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 先月、WUBの世界大会出席のため、上海に行ってきた。上海は14年前、シンガポールに初めて行く前にアモイ大学に短期留学したとき旅行で行って以来2度目である。14年前には、浦東地区もテレビ塔が建設中なだけで、高層ビルは一つもなかった。その後の発展ぶりはここで言うまでもないだろう。
 シンガポールや香港並みの高層ビルは想像していたが、ビックリさせられたのは地下鉄路線の充実と若者のファッション。上海はまさに世界最大のマーケットである。中国の商業中心地であり、世界中の企業の力の入れようを強く感じた。今後は公害や一人っ子政策の影響による若年労働者の不足が本格的に問題になるかと思われるが、未曽有のインフラ需要が最大の魅力である。
 上海ではいろいろな商業施設を見学したが、弊社の新店舗が来年2月に入居するシンガポールフライヤー(世界一大きい観覧車)と似た条件の観光名所のテレビタワーに注目し、観察した。
 観光客が絶え間なく流れている印象である。シンガポールの観覧車も立地もいい。上海と違いシンガポールの空はきれいで、晴れた日にはインドネシアの島まで見える。期待通りシンガポールの新観光名所としてうまくいってほしいと願った。
 上海とシンガポールはよく比べられるが、確かに基礎インフラ需要や人口では上海が格段上。だが、経済体質や企業活動条件等は、いろいろな意味でまるで違うことを再認識できる旅となった。(遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)