シンガポールでも、モールにクリスマスソングが流れ、街行く人々が口ずさみ、街並みもクリスマスのデコレーションで飾られてきた。年中、常夏の東南アジアでもいや応なしに、だんだんとクリスマス気分になってきた。
8年ほど前になろうか、このコラムで「クリスマスの時こそ、アジアでは貧しさからクリスマスを祝えない、クリスマスの事さえ知らない人々がいることを理解して、日本は、私たちは本当に幸せなんだと感じることも大切なことだと思う」と書いたことがある。
東南アジア諸国は、その後アジア危機を切り抜け、さらに発展し、この10年余で本当に豊かになり、一部の国や人々を除き、豊かさと平和を実感でき、ほとんどの人々が日本と同様にクリスマスを祝えるようになった。
クリスマスに、「クリスチャンでもないのに」「商業主義の浸透」と嫌みを言う人にも一理あるが、世界中の老若男女が素直に幸せを感じ楽しめる、本当にいい日だと思う。
ただ、いまだにアジアにも発展の果実を得られない農村や政治体制のために豊かさを感じることができない人々がいる。アジア以上に厳しい国や人々が中東やアフリカなどには、まだまだ多い。そのことを頭の片隅に置きながら感謝することも大切な事だと今も思う。
クリスマスを楽しむのは、当たり前に思えることだが、本当に幸せなクリスマスを今年も楽しく過ごせる事に、感謝して皆さんと一緒に平和を祝いたい。アジアからメリークリスマス。
(遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)
【交差点】メリークリスマス
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琉球新報社
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