【交差点】T3敗者復活


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 「T3」とはターミネーターのことではなく、シンガポールの新しい顔となるチャンギエアポートの第3ターミナルのことである。以前、このコラムで、A380のことを書いた時に、入札価格の高騰により、第3ターミナルの出店を逃したことを報告したばかりだが、空港管理会社から12月初旬に出店に興味がないかとの再連絡を受けた。
 第3ターミナルは今年1月にオープンするだけに、大変な驚きであった。恐らく、出店に高額提示をした会社が何らかの理由で辞退したか、何らかの問題がおきたのだと思う。このチャンスに、家賃交渉を前回提示額より大分低くし、交渉し、出店が確定した。
 空港への出店がこうも入居者有利に進むことは通常あり得ない。大変な幸運である。T3への出店は結果的に、遠回りをしたが必要以上のリスクを抱えずに出店できることになった。このコラムで将来、第3ターミナルへ必ず出店すると誓ったばかりで、拍子抜けではあるが、早く出店を果たせてよかった。
 ただ当たり前のことではあるが、本当の勝負は出店後の方が大事であることは言うまでもない。シンガポールの2つの新しい顔となるシンガポールフライヤーとT3の出店を2月に控え、08年はシンガポールにとっても私にとっても大勝負の年となる。
 (遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)