【交差点】便利なバイク


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 福州ではバス停留所、街角と大勢の人が集まるところにバイクが並ぶ。最近はタクシー乗り場付近にも増えている。理由は、いわゆるバイクによる「白タク」である。
 福州の街でも、朝夕のラッシュ時は大渋滞となり、交通がまひ状態となる。そのためバイクが人気の乗り物となっている。
 バイクに多少危険はつきものだが、渋滞の中をあっという間に目的地に到着できることから、タクシー以上に便利な時がある。特に、渋滞時は言うまでもない。
 田舎でも主要道路の近くで、バイクが陣取る風景が見られる。渋滞などあろうはずはない。街とは逆に、交通網が未発達で、地域の奥地や細部まではバス路線も十分には行き届いていない。そこにバイクの登場である。
 田舎のバイクは、地域交通の補完的役割を担い「パーク・アンド・ライド」として公共バスを補っている。
 中国のバイク輸送は、いわゆる「ニッチ産業」で、個人の商いそのもの。料金は市内でタクシー並み(もちろん、客との料金交渉はある)ときている。
 そのうまみにバイク所有者は手軽なビジネスとして、本業あるいは副業やアルバイトでバイクによる白タク営業を行うのである。
 渋滞などで困った時には、確かに便利でありがたい乗り物だが、いったん事故に遭遇したら、それこそ一大事。本当に困ったことになることをお忘れなく。
 (仲宗根信明・産業振興公社福州事務所長)