これまで、パートで週に何回か通いのメードを雇っていたが、二男の誕生とともに住み込みのメードを雇うことになった。
シンガポールで一般的なメードはフィリピンやインドネシアから来ている。フィリピン人メードはインドネシア人メードより、給料が高いのが一般的である。理由は英語ができて学歴が高く意思の疎通がしやすく、高齢者や子どもの面倒を見てもらう場合に安心感があるためである。
わが家ではメードにお願いするのは家事が中心。子どもは自分たちで育てて、面倒を見てもらうのは最小限にとどめておきたいとの考えから、インドネシア人でもいいとも考えた。しかし、結局は初めての体験でもあり安全策を取り、フィリピン人のメードを雇った。
メードを雇うことが一般的などこの国でも、メードと雇い主の間の事件・事故が絶えない。メードがお金を盗む、雇い主に対し傷害事件を起こす場合や逆に雇い主がメードを虐待、監禁するなどの事件が後を絶たない。
立場や生活習慣、価値観が違う赤の他人が一つ屋根の下で長期間暮らすのである。いろいろな問題が起こらない方がおかしいのかもしれない。私はこのギャップや違いを楽しみたいという好奇心もあるが、子どもが関係していることや妻の気持ちを考えると悠長な事も言っていられない。
ただ、違いを認識し、相手の生活習慣などに正しい知識を持ち接すれば、後は個人同士の問題である。互いが必要な関係にあることを尊重していけば、問題は最小限にできると信じている。
(遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)
【交差点】メードとの接し方
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琉球新報社
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