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制服リサイクルで地域応援 那覇・大和商会 上原さん夫婦経営 憩いの場も提供


制服リサイクルで地域応援 那覇・大和商会 上原さん夫婦経営 憩いの場も提供 夫婦で地元密着の制服リサイクル店を営む上原隆さん(左)、慶子さん=那覇市松山
この記事を書いた人 Avatar photo 古堅一樹

 【那覇】那覇中学校の正門からわずか約20メートル。約7年前から中高校生の制服の買い取りやリサイクル販売に取り組む「大和商会(だいわしょうかい)」は同校卒業生の上原隆さん(65)、慶子さん(60)が夫婦で営み、地元に根付いている。店内はスープ缶などの食品や駄菓子も販売し、地域の身近な商店のような雰囲気。放課後には学校帰りの生徒らも気軽に立ち寄り、憩いの場にもなる。

那覇中学校の正門(奥)からすぐ近くにある大和商会(左)

 店名の大和商会はもともと、隆さんの父・孝榮(こうえい)さんが約60年前に親戚から引き継いだ輸入食品などの卸業代理店の名称だ。孝榮さんが経営していた頃に隆さんも同店で働き始めた。店は那覇中近くから浦添市西洲や南風原町へ移転したが、再び那覇中学校近くに戻り、現在の場所で店を続けてきた。

お菓子や食品の缶詰なども販売し、地域の商店のような大和商会の店内

 子ども4人も那覇中学校の卒業生。長女が同校に通い、隆さんがPTA活動に携わっていた頃、新品の制服の学校指定店を開いてほしいと当時の校長から相談された。これを受け、大和商会は食品卸業も続けながら新品の制服の取次店を始めた。

 当初は新品の制服だけを扱っていた。しかし、冬服なら上着1着だけで1万円を超す制服一式を複数そろえるには家計の負担が大きく、保護者からしばしば「中古の制服はない?」との声を聞いた。各家庭を支援するため、リサイクル店を出そうかと夫婦で話し合ったが、新品の売り上げに影響してしまう悩ましい問題があった。

那覇中学校の生徒らも顔見知り。地元密着で店を切り盛りする上原隆さん(左)、慶子さん夫婦

 それでも、取引先の制服代理店に「恐る恐る『中古の制服を扱ってもいいか』について確認した」(隆さん)。すると、制服代理店は「いいんじゃないか」と認めてくれた。新品も扱いながら、制服の買い取りや中古品の販売も同時に始めることができた。

 制服リサイクルについて、全く知識はないところからの出発だった。テレビで取り上げられていた全国的なチェーン店の説明会に参加したこともある。

 リサイクル品は那覇中学校に加え、高校は近隣から通える那覇商業、那覇工業、那覇西、那覇、沖縄工業の制服を扱う。例えば、新品なら1万6500円のブレザーを3千~4千円で販売する。400~500着の在庫がある。

 隆さん、慶子さんは「少しでも(中高生の家庭の)役に立てばと思う。体力が続く限り、店を続けたい」と優しい笑顔を見せた。同店の問い合わせは電話098(868)8131。

(古堅一樹)

優しい笑顔で出迎える(左から)上原隆さん、慶子さん夫婦=那覇市の大和商会
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