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70歳で10代選手と記録競う、糸洲さん(那覇工定時制)を特別表彰 仕事後に勉強、練習 定通制の陸上競技会に最年長出場 


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70歳で10代選手と記録競う、糸洲さん(那覇工定時制)を特別表彰 仕事後に勉強、練習 定通制の陸上競技会に最年長出場  糸洲朝光さん(中央)と那覇工業高の宮城哲夫校長(左)と泊高の上地さとみ校長=15日、浦添市勢理客の那覇工業高
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 【浦添】8月に東京都で行われた、第58回全国高校定時制通信制陸上競技大会に出場した糸洲朝光さん(70)=那覇工業高校定時制1年=が、困難な環境にもかかわらず練習の成果を発揮したとして、特別賞の石澤奨学会理事長賞を受賞した。糸洲さんは1500メートルと800メートルの2種目に出場したが、いずれも予選落ちした。それでも「周りの選手と来年も大会で会うことを約束した。約束を果たすためにも練習を続け、記録更新に挑戦したい」と前を向く。

 理事長賞は、日頃の困難な学習環境の中でも大会出場に至った選手の努力をたたえるもので、大会出場の男女1人ずつに贈られる。石澤奨学会は定時制通信制課程の高校に在籍する生徒に給付型奨学金を支給する公益財団法人。

 建築関係の仕事に従事する糸洲さんは資格取得のため、4月に那覇工定時制電気科に入学した。平日は午前8時から午後5時まで仕事をして、その後に学校で勉強をして陸上の練習をする。今回出場した競技会大会はほとんどの選手が10代だった。70代は糸洲さんだけで、最年長選手でもあった。

 那覇工の宮城哲夫校長は「糸洲さんの頑張りは他の生徒の励みにもなる。引き続き頑張ってほしい」と激励した。
 (吉田健一)