「国頭村 観光・物産・芸能フェア」(主催・同フェア実行委員会)が6日から8日まで那覇市の琉球新報本社ビルで開催される。琉球新報社創刊130年を記念した「地域文化発信支援事業」の一環。フェアに向けて自然豊かな国頭村の物産や郷土芸能、世界自然遺産の保全・利活用など国頭の魅力を紹介する。(武井悠)
国頭村では卵を産み終わった鶏「ハイケイ(廃鶏)」の骨付き肉を塩やこしょうで味付けし、炭火焼きで食べる食文化が根付いている。ハイケイは若鶏とは異なり、肉質が固く、かめばかむほど鶏肉のうまみが増す。村のソウルフードであるハイケイの食文化を広めるため、ハイケイをおいしく焼く「ハイケイマイスター」が村内外のイベントで活躍している。
ハイケイは通常、スープのだしや堆肥として使われる機会も多い。ハイケイマイスターの前田浩也さんによると、家庭やビーチパーティーなどで日常的に食されており、村内スーパーでも販売されている。食文化の正確な起源は不明だが、前田さんは「現在70代~80代の高齢者は若い頃から食べていたようだ」と話す。
マイスターは毎年12月に開催されている国頭トレイルランニング大会の後夜祭で、参加者に地元の食文化を紹介しようと誕生した。これまで名護市や東京都のイベントでハイケイを焼いてきたが、那覇での実演販売は初めてとなる。
前田さんによると、ハイケイを焼くこつは塩こしょうと火加減。焦げないように何度も返しながら、30分ほどかけてじっくり焼き上げる。「ハイケイは子どもから大人まで楽しんでいる食文化。中南部の方々にも知ってほしい。フェアでは実演販売する」と来場を呼び掛けた。
「国頭村 観光・物産・芸能フェア」は6日から8日まで。開催時間は午前10時~午後6時(最終日は午後5時まで)。芸能公演は7日の午後3時開演となる。ハイケイ以外にも山菜弁当やグルクマそば、命豚ソーセージなどが飲食ブースで提供される。物販や観光PRブースの設置、国頭村ゆかりのアーティストによるスペシャルライブもある。