国頭村の伝統芸能には村の子どもたちも積極的に関わっている。その一つが琉舞研究所や琉球古典音楽の教室に所属する、小学生から高校生の約25人で構成される団体だ。芸能コンクールなどに向けて日々稽古を重ねているほか、国頭村産業まつりや今年8月に開催された「山の日」全国大会の記念式典で踊りと演奏を披露した。
団体に正式名称はなく、中文連には国頭村立国頭中学として出場した。琉球古典音楽野村流保存会師範の田場盛久さんによると、団体は2020年の国頭地区中学校総合文化祭への出場を契機に結成された。踊りだけでなく演奏も子どもたちが務める形で琉球舞踊「上り口説」を披露し、全国中文祭岩手大会にも出場。その他の活動時には「国頭村子ども選抜芸能団」や、琉球古典音楽のみの「くにがみ子ども三線」として出演する。
田場さんは地方の芸能の課題として施設環境が整っていない点を上げる。一方で発表は子どもたちが充実感を得る場にもなっている。「のびのびと習っていることを発表し、主体性や積極性が養われることを目指して頑張っている」と語った。
(国頭フェアの)7日の芸能公演は幕開けで「安波節」や「ひやみかち節」を披露する。玉城流七扇会大田多恵子琉舞研究所の地謡としても出場予定。田場さんは「小さな村でも都市部に負けないほどの演奏や踊りができる。頑張る子どもたちを見てほしい」と呼び掛けた。
(武井悠)
「国頭村 観光・物産・芸能フェア」は6日から8日まで。開催時間は午前10時~午後6時(最終日は午後5時まで)。芸能公演は7日の午後3時から新報ホールで開かれる。
奥間区による「くんじゃんサバクイ」や浜区の「花笠」「蝶千鳥」などが披露される。飲食、物販、観光PRブースの設置、国頭村ゆかりのアーティストによるスペシャルライブもある。