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星空観光で地域活性化へ 村内公共交通、不足が課題 <国頭遊び庭(あしびな~) わした村の観光・物産・芸能>下


星空観光で地域活性化へ 村内公共交通、不足が課題 <国頭遊び庭(あしびな~) わした村の観光・物産・芸能>下
この記事を書いた人 Avatar photo 武井 悠

 国頭村は2021年に世界自然遺産に登録されたやんばるの森のほか、太平洋と東シナ海の両方に面するなど、豊かな自然環境を有し、村は自然を大きな観光資源として活用している。一方で本島最北部にあるため、那覇市内から村への移動には2時間以上かかる。村内の宿泊施設と観光地を移動する交通手段の確保やオーバーツーリズム対策など解決すべき課題も多い。

 村が近年、新たに取り組みを進めているのが星空観光(アストロツーリズム)だ。多くの地区で空から暗さを奪い、野生生物の成長を妨げる「光害(ひかりがい)」の影響が村内は少ない。村は夜空の保護に取り組むNPO団体「ダークスカイ・インターナショナル」(米アリゾナ州)による星空保護区の認定を目指し、星空ガイドの育成などに取り組んでいる。知花靖村長は星空観光に訪れた人が村内に宿泊し、滞在観光につなげることで「地域の活性化に結びつけたい」と意欲を燃やす。

 一方、知花村長はレンタカーの利用増によるヤンバルクイナなど希少生物のロードキル(輪禍死)を懸念する。「公共交通で観光地を回ってもらいたいが、交通手段の不足が一つの課題となっている」と話す。村内到着後の二次交通が不足している村では観光客からの要望を受け、現在運行している村営バスとは別に、11月から村内を走る無料バスの実証実験を始める予定だ。

 (武井悠)

観光PRブースも 6~8日、琉球新報本社

 「国頭村 観光・物産・芸能フェア」は6日から8日まで。開催時間は午前10時~午後6時(最終日は午後5時まで)。芸能公演は7日の午後3時開演。観光PRブースでは木のたまごプールの設置や、やんばる電気バスの展示(8日のみ)などが行われる。飲食、物販ブースの設置、国頭村ゆかりのアーティストによるスペシャルライブもある。