【豊見城】捕獲されても何らかの理由で利用されない「未利用魚」について知ってもらおうと、未利用魚のツノザメの釣り・調理体験を豊見城市宜保の学習塾、小美野塾(小美野純一代表)が行った。糸満漁協青壮年部との共催で、沖縄調理師専門学校が協力した。小学6年から中学生までの13人と保護者らが参加。ツノザメは漁で他の魚を食べてしまうため害魚とされるが、硬い皮をはいで香草パン粉焼きなどにすると、おいしい白身魚に変身した。
9月30日、10月1日の2日間かけて行われた。初日は子どもたちが糸満沖でツノザメ釣りを体験。早朝に糸満漁港を出発し、2時間かけて漁場に着くと、漁師がサメを一本釣りする様子を見学した。体長1~1.5メートルほどのツノザメを20匹近く釣り上げた。漁港に戻ると、漁師がツノザメの硬い皮をはいで、さばいて見せた。
翌日は同市内でツノザメを調理した。沖縄調理師専門学校の講師、前川孝太さんと滿尾拓人さんの指導の下、参加者たちが香草パン粉焼き、アクアパッツア、冷しゃぶ風サラダ仕立ての3品を作り試食した。
塾指導者でイベントを企画した小美野夏代さんは「淡泊な味でおいしかった。参加者からも『おいしい』『ツノザメのことが分かって良かった』などの感想があった」と振り返る。「漁師や調理師の仕事を間近に見られたのは子どもたちにとっていい経験だ。未利用魚に対する考え方も変わったと思う」と話した。
(岩崎みどり)