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願い込め ガンシナしめ縄作り 南城・久高島 お年寄りら、予約販売


願い込め ガンシナしめ縄作り 南城・久高島 お年寄りら、予約販売 月桃の茎を細かく裂くなどの作業に取り組む住民ら=1日、南城市知念久高島
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 【久高島=南城】南城市知念久高島で、80~90代の住民らが「ガンシナ注連七輪(しめなわ)」作りに取り組んでいる。ガンシナは円形の敷物で、水が乏しかった久高島では、女性たちが毎日水を入れたおけを頭に載せて運ぶ際に使っていた。民具のガンシナを元に、島民の日常に根付く自然への感謝や家内安全の祈りを込め、しめ縄に仕立てている。
 島の高齢者に生きがいと仕事をつくろうと、久高島結回(ゆいまある)の会(西銘喜久会長)が主催している。2019年から作り始め、新年に向けて販売し、人気を集めている。介護予防や先人の知恵を次の世代に引き継ぐ目的もある。
 副会長の古堅苗さん(68)は「ガンシナ作りを学び、先人の知恵をもう一度暮らしの中に取り入れていきたい」と目を輝かせた。
 1日は、活動場所のふがに家に住民9人が集まった。研修で来ていた県立看護大の学生や近所の保育園、幼稚園の園児らも訪れ、おしゃべりをしながらにぎやかに作業をした。
 しめ縄は、島に自生する月桃の茎やレモングラス、マカヤを乾燥させたものを、アダンの根を細かく切ってひも状にしたアナナシで縛り、円形にまとめて作る。同会が育てた麦穂などを添え、新年の干支(えと)に合わせた飾り付けをする。安里喜久さん(90)は「1人で家にいるより楽しい。幸福や健康を願って作っている」とほほえんだ。
 ガンシナ注連七輪は1個1万5千円。200個販売し、11月30日まで注文を受け付ける。注文が販売個数より多い場合は抽せんとなる。製作の様子を収録したフォトブック付き。注文や問い合わせは同会、電話070(3803)2425。
 (上江洲仁美)