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「親族組織の名称は変遷」/糸満歴史研/金城さん、墓誌・墓碑から解説


「親族組織の名称は変遷」/糸満歴史研/金城さん、墓誌・墓碑から解説 墓誌や墓碑に見る親族組織名称の変遷について語る元糸満市立中央図書館長の金城善さん=10月17日、糸満市のシャボン玉石けんくくる糸満
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 【糸満】糸満の歴史と文化研究会の50回目の研究発表が10月17日、糸満市の「シャボン玉石けんくくる糸満」の多目的室で43人が参加して行われた。演題は「幸地腹・赤比儀腹両門中の墓誌や上米次腹中の墓碑等に見る親族組織名称の変遷」。同会主宰の金城善・元糸満市立中央図書館長が講師を務めた。
 金城さんは、墓誌や墓碑から分かったことは、今から339年前のもので「兄弟」としか刻んでおらず、17世紀後半でもまだ腹とか門中と呼ばれる親族組織までには至っていなかったと思われるとした。
 「門中」という表記は近年になってからだとして、歴史的に変遷していると説明。18世紀中ごろには子孫が広がり「一門」の表記があり、19世紀中ごろには「はら」「腹中」が確認でき、親族組織の名称が「一兄弟」「一門」「はら」「腹中」「門中」と変遷し、現在では「○○腹門中」が一般化している、と結んだ。詳しくは、電話090(2856)1138(金城)まで。 (喜屋武幸弘通信員)