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ルーツに触れ 「心近づいた」 宜野座 移民子弟ら研修修了


ルーツに触れ 「心近づいた」 宜野座 移民子弟ら研修修了 研修中の感想を発表する宮里宮平ヴァニアロサさん(左)と他の研修生ら=10月31日、宜野座村の宜野座区公民館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【宜野座】宜野座村は10月31日、第35次世界のギノザンチュ子弟研修生受け入れ事業の閉講式を宜野座区公民館で開いた。當眞淳村長や村職員、関係者など約100人が出席し、研修生らは修了証書を受け取った。
 世界のギノザンチュ子弟研修生は日本語や沖縄の伝統芸能習得、村民との交流による友好親善などを目的に、村が1986年から受け入れている。
 今年は宮里宮平ヴァニアロサさん(ペルー)、前兼久千里さん(アルゼンチン)、知念ガブリエルせいいちさん(ブラジル)、新里ジョンさん(アメリカ)の4人が来村した。
 4人は8月から日本語講座やしまくとぅば、三線などの文化研修を受講し、青年会のエイサーや村まつりでの「かぎやで風」披露など、村内行事に参加した。
 宮里さんは「一番の願いは宜野座村を知り、私の一部が先祖から来ていることを理解することだった。自分が何者であるか多くの答えを見つけることができた」と涙ながらに感謝した。
 前兼久さんは「沖縄の文化を学び、三線と琉舞も慣れた。たくさんの方と出会って交流し、沖縄の人の心に近づけた」と涙を交えて振り返った。知念さんは「これは別れではない。必ずまた会えることを信じている。宜野座村に帰ってきたい」と再会を誓った。
 新里さんは親族のデイヴィッドさんが7年前の研修生といい「彼が宜野座村のいろいろな素晴らしいところを教えてくれたので、私も行ってみたいと思った」と語った。
 當眞村長は「村での経験を生かし、お互いの関係がより充実したものとなるように村と4カ国の交流の架け橋になってほしい」と願った。 (武井悠)