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地域の民話 演劇で楽しむ 南城・玉城小


地域の民話 演劇で楽しむ 南城・玉城小 民話「奥武観音堂由来」をユーモアを織り交ぜて演じる劇団員=22日、南城市立玉城小学校
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【南城】南城市立玉城小学校で22日、市の民話劇学校アウトリーチ事業「演劇でちてーばなし」(市教育委員会文化課主催)が開催された。過去に旧大里村や旧玉城村の住民から聞き取った民話を、演劇グループ「演撃戦隊ジャスプレッソ」が現代語で分かりやすくアレンジして演じ、6年生76人が民話の豊かさに触れた。

劇団「演撃戦隊」 現代語にアレンジ
 事業は子どもたちへの民話の普及と、市教委が2022年に旧大里村の民話を1冊にまとめた「大里のちてーばなし(伝え聞いた話)」の普及が目的。この日は、同書に収録された民話「ハブの秘密」と、旧玉城村教委が02年に刊行した「たまぐすくの民話」から「奥武観音堂由来」「居眠次郎」の3話が上演された。
 「奥武観音堂由来」は、同市奥武島にある観音堂に祭られた観音像の由来を伝える民話。昔、遭難して奥武に漂着した異国の船を住民が修理し、船乗りたちが無事に帰国できた。そのお礼に観音像が贈られた。
 しかし観音像は同じ地名の羽地(名護市)の奥武島や那覇の奥武山に誤って運ばれてしまう。無事に正しい「奥武島」にたどり着くまでを劇団員がユーモアたっぷりに演じ、児童からは笑い声が上がった。
 家族で奥武観音堂を訪ねることがあるという塀内綾音さん(12)は「身近な観音堂の像が、こんなふうにやって来たと初めて知った。民話を読んだことはないけど、劇が面白くて楽しく見られた」と話した。
 劇は撮影して市のデジタルアーカイブで公開する。DVD化して小学校の授業などでの活用も計画している。 (岩切美穂)