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リヤカーで高台へ避難 名護大西区、津波想定訓練


リヤカーで高台へ避難 名護大西区、津波想定訓練 徒歩やリヤカーで高台へ避難する住民ら=11月5日、名護市のうみのほし幼稚園
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 【名護】名護市大西区は「津波防災の日」の11月5日、津波に対する防災意識の啓発や避難計画を検証するため、津波避難迅速化訓練を実施した。参加した区民約90人は津波警報発令の放送を受け、事前に指定された区内3カ所の高台へ避難した。訓練後は公民館で津波の脅威と避難に関する映像を視聴した。
 訓練は、午前9時52分に県内で震度6弱程度の地震が発生し、3分後に県全域へ大津波警報が発令されたと想定。指定場所の一つであるうみのほし幼稚園には、約30人が徒歩やリヤカーで避難した=写真。
 2回目の参加という前里千鶴子さん(88)は「前回避難した公民館より近くていい距離だった。高さも15.9メートルあり安心だ」と話した。
 区は本年度、沖縄しまたて協会から「大西区津波・災害時における住民避難迅速化事業」への支援金50万円を活用し、津波避難防災マップを2千部作成、区全世帯へ配布した。区民に海抜表示を意識してもらおうと、低地の電柱26カ所に海抜表示シートを設置した。村瀬善一郎区長は「災害はいつ来るか分からない。日頃の訓練と住民に対する意識の啓蒙(けいもう)が大事だ」と力を込めた。 (武井悠)