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「琉球ヤギ」を県の天然記念物に 保護活動家らが豊見城教委に協力依頼 沖縄


「琉球ヤギ」を県の天然記念物に 保護活動家らが豊見城教委に協力依頼 沖縄 毛色は真っ白ではなく、角があり、小型などの特徴がある琉球ヤギ(東さん提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 岩崎 みどり

 【豊見城】沖縄の在来ヤギの保護活動をする長嶺ジョン翔生さん(33)ら3人が11月29日、豊見城市教育委員会に瀬長盛光教育長を訪ね、在来ヤギを「琉球ヤギ」として県の天然記念物に指定する取り組みへの協力を依頼した。同市に牧場を持つ長嶺さんは「琉球ヤギは在来家畜として歴史的、文化的に価値があるが、発育が遅く小型で家畜として飼育されることは少ない。天然記念物に指定されることで飼育が活発になるだろう」と話した。すでに県天然記念物となっているチャーンや琉球犬、宮古馬のように指定されることを求めた。

 琉球大農学部非常勤講師で沖縄畜産研究会会長の玉城政信さん(71)と、辺土名高校非常勤講師の東竜一郎さん(49)が同席した。県天然記念物指定は、市町村を通して県教育委員会に申請する。3人は今後、同市教委と調整しながら価値を証明するデータや資料の収集、保存計画の作成などをする。

在来ヤギの県天然記念物指定を目指し、陳情書を瀬長盛光豊見城市教育長(右から3人目)に手渡す、長嶺ジョン翔生さん(同4人目)ら3人=11月29日、豊見城市教育委員会

 玉城さんらの調査・研究によると、在来ヤギは15世紀に東南アジアから中国、台湾を経由して沖縄に流入した。角や副乳頭を持つなどの特徴があり、20~30キロの小型。毛色は茶色と白、黒と白のまだらや黒だけなど多様だが、真っ白はいない。20世紀初頭から家畜の大型化を図るため、他の品種との交配が進んだ。現在、特徴から在来種とみられるヤギは、県内に推定50~150頭という。

 長嶺さんは「在来ヤギとして価値を認めることで飼育や活用も活発になる。沖縄のPRにもつながるだろう」と語った。玉城さんも「小型のため肉量が少なく経済的に復活させるのは難しいが人の生活との関わりは深く文化的価値は高い」と説明した。

 東さんは辺土名高で生徒たちと琉球ヤギを飼育、繁殖させて、沖縄こどもの国(沖縄市)や大石林山(国頭村)などに寄贈してきた。

 (岩崎みどり)