prime

まったく涙もろくて 岩崎みどり(那覇・南部班)<ゆんたくあっちゃ~>


まったく涙もろくて 岩崎みどり(那覇・南部班)<ゆんたくあっちゃ~>
この記事を書いた人 Avatar photo 岩崎 みどり

 「涙活」という言葉がはやったのは、いつだったか? 涙を流すことでストレス解消になるそうだが、私の場合は年のせいか涙もろすぎて困っている。

 豊見城南高校を1日に卒業した新垣有平さんを取材した。彼は脳性まひがある。緊張すると手足がふるえる。中学生の頃、この症状が嫌でたまらなかったという。手術で治せないかと全身を検査したが、異常は見つからず手術してもらえなかった。薬で抑えようとしたこともあった。イライラが募り、家族に暴言を吐いたこともあるという。

 それでも「今はこれも個性だと思えるようになった」と話した。その背景には、彼が高校生活を通して努力を重ねることで得た自信があるのだと思う。

 取材中、私は涙をこらえるのに必死だった。私にも治したくても治せない欠点がある。それさえなければと思うことも多い。

 新垣さんの話は「欠点を含めて丸ごと自分だよ」と、そっと私の背中を押してくれた。取材帰りの車ではまさに涙活状態だった。

 この一年、そんな取材がしばしばあった。地域には素晴らしい出会いがある。今後も出会いの一つ一つにていねいに向き合っていきたい。

私が書きました
岩崎みどり (豊見城市、南風原町、南北大東村担当)