今帰仁村平敷区の大型・多産系統山羊研究会玉城畜産(玉城照夫代表)はこのほど、多産系統の雌ヤギの交配を進め、安定して複数の子ヤギを生産することに成功した。ヤギの生産性を上げるためには、雑種交雑による大型化や、双子や三つ子を生む多産系統のヤギを選抜交配していくことが挙げられる。
これまでは、1頭の母ヤギから多くの子ヤギに授乳することで、子ヤギ1頭当たりの母乳の量が減り発育が悪くなるという課題があった。玉城代表は、生まれた子ヤギをすぐに引き離し人の手で哺乳することで、子ヤギが死ぬことや栄養不足がなくなることを確認。多産系統のヤギを増やしていくのに有効な手段として、人口哺乳による管理技術の確立を図っていきたいとしている。
また、ヤギ乳の販売も可能になり、母ヤギの乳房炎のリスクが減ることにもつながる。全ての子ヤギに均一に適正量のミルクが供給できるので、発育がよく病気にも気づきやすくなり、個体管理が容易になるという。人に慣れ、危害を加えることを防げるというメリットもある。一方、朝夕2回の哺乳の負担が大きいことや、ミルク代がかかるといったことなどが課題だ。
玉城代表は「県産ヤギは過去最高価格で競り落とされた。人口哺乳を導入して子ヤギが死ぬことがなくなり、元気に成長している。多くの生産者に伝授できたら」と呼びかけている。
問い合わせは、電話090(8839)6332(玉城照夫代表)。
(新城孝博通信員)