本年度末で廃校し、大原小学校と統合する西表東部の古見小学校(渡口里夏校長・児童3人)の閉校式が22日午後、同校体育館で開かれ、児童や職員のほか地域住民、歴代卒業生ら総勢約200人が出席した。参加者らは当時の思い出を振り返りながら、創立128年の歴史に幕を下ろす同校に別れを告げた。
同校は1895年(明治28年)6月に大川尋常小学校古見分教場として設立。57年には新教育法により古見中学校古見小学校として独立した。71年には由布小学校が統合され、児童数が増加。95年に創立100周年、15年には120周年を迎えるなど歴史を刻んできた。
同校では本年度、全児童3人のうち2人が卒業。次年度は1人の入学を見込んでいるが、その後は継続した入学者が見込めず在籍児童不在の可能性もあった。竹富町教育委員会は統廃合にかかる検討委員会を立ち上げ、PTAや地域公民館などと協議し閉校を決定した。
閉校式には島内外から訪れた卒業生や教育関係者らが多数参加。渡口校長はあいさつで「古見っ子3人、卒業生にとって古見小はいつでも母校。誇りを持ってほしい」と呼びかけ、地域住民には「古見小は閉校するがこども会活動や行事で関わる機会がある。皆さんで子どもたちを見守っていただきたい」と協力を求めた。
卒業生を代表し70年卒業の小橋川和美さん(66)=豊原=は「とても寂しく胸が詰まる思いだった」と閉校を知った当時の気持ちを明かし、「多くの方々の協力があって128年の歴史をつなぐことができた。歴史と伝統を誇りにいつまでも古見小が語り継がれていくことを願う」と涙ながらに語った。
式では前泊正人町長や棚原広幸八重山教育事務所長、今村愛PTA会長らがあいさつを述べた。参加した卒業生の林新さん(大原中1年)は「今までの感謝を伝えるように校歌ダンスを踊った。支えられた地域へ恩返しできるようにこれからも頑張りたい」と思いを新たにした。
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歴史と伝統忘れない 古見小 128年
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琉球新報朝刊
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