宜野座・漢那共同売店が新たな船出 仲栄真店主 マチヤグヮー文化復活を 沖縄


宜野座・漢那共同売店が新たな船出 仲栄真店主 マチヤグヮー文化復活を 沖縄 リニューアルした「漢那共同売店」の店主の仲栄真リナさん(左)と夫の三七十さん=1日、宜野座村漢那区の同店
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 宜野座村漢那区の「漢那共同売店」が1日、新装開店した。新しい店主の仲栄真リナさん(漢那区)は「マチヤグヮー(商店)」で育った世代。開店前日は宜野座中学校46期生の同級生が徹夜で手伝ってくれた。大漁旗を翻す日を目指し、漢那共同売店の新たな航海が始まった。

 住宅が碁盤目状に密接する漢那区ではかつて、屋号を冠した個人が営むマチヤグヮーを中心にコミュニティーが形成されていた。今回、閉店状態だった売店のオーナー募集があり「マチヤグヮーをやりたい」という情熱で、リナさんが真っ先に名乗り出た。

 厨房(ちゅうぼう)器具は、今年2月に43年の歴史に幕を閉じた宜野座村の老舗弁当屋から譲り受けた。「中華鍋がエースで大活躍」と言う。開店当日、総菜や弁当が好評で即完売し、さらに調理に力を入れたいと意欲を示す。駄菓子やおもちゃも充実させ、子どもたちも楽しめる「一銭まちや」の雰囲気も盛り込む。店内に「ゆんたくスペース」も計画中だ。

 物価高騰が続き、折しも開店初日の1日はさまざまな値上げもあった。「値段については試行錯誤、勉強をしていきたい」と目下の課題とする。夫で宜野座村漁業組合長の仲栄真三七十さんも応援しており、鮮魚の直売も予定する。

 リナさんは「もう一度、マチヤグヮー文化を復活させ、幅広い世代が交流できる居場所を作りたい。今の子どもたちにも、心が通い合うマチヤグヮーの良さを知ってほしい。地域と共に成長できるお店を目指したい。楽しみしかない」と抱負を語った。

(池辺賢児通信員)