「被災地の力に」福島に響く、沖縄指笛と琉球横笛 20代で失明の奏者「感慨深い」


「被災地の力に」福島に響く、沖縄指笛と琉球横笛 20代で失明の奏者「感慨深い」 パンフルート奏者の大束晋さんと横笛演奏でコラボする金城利信さん(左)=4月16日、福島県いわき市常磐湯本町の古滝屋
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 【西原】指笛奏者で琉球古典音楽野村流笛師範の金城利信さん(73)=西原町在住=が4月16日、福島県で初となる「沖縄指笛と琉球横笛コンサート」を、いわき市常磐湯本町の宿泊施設「古滝屋」ブックラウンジで開催した。

 金城さんは指笛愛好団体「指笛王国おきなわ」の音楽大臣で、2020年に同市でコンサートを計画していたがコロナ禍で中止となった。

 今回は音楽仲間で双葉郡在住のパンフルート奏者の大束晋さんをゲストに、沖縄の楽曲「芭蕉布」や福島県の作曲家・古関裕而さんの楽曲「高原列車は行く」などを、2オクターブで鳴り響く指笛演奏で披露した。

 金城さんは「ベーチェット病」のため20代で失明し、30歳で盲学校に入学し、妻の久江さん(75)と二人三脚で歩んできた音楽人生について語った。金城さんは「古滝屋のラウンジは響きがとても良い。ニュースで見た被災地で演奏ができたことは感慨深い」と述べた。

 古滝屋代表の里見喜生さん(55)は「指笛はきれいな音色を奏でるだけではなく、震災で生き埋めになった時に助けを呼ぶことができることを知りました。金城さんとの御縁で、沖縄と福島がより強く結ばれることを期待します」と感想を述べた。

(喜納高宏通信員)